このオーストラリアの中で、スポーツにもっとも適した街はゴールドコーストだと思います。
マリーンスポーツ、ダイビング、ヨット、ジェットスキー、そしてサーフィン。
陸地では日本の冬の時期にプロ野球チームが夏のゴールドコーストにトレーニングに来ていたほどで、
なんでもOK、ただし冬のスポーツは100%無理ですが、、、

そんな環境なので、ゴールドコーストはサーフィンのメッカとして世界に名をはせていますが、実はゴルフにもとてもいい環境なんです。
日本人の功績
バブルの時代に、この地に日本の起業家の方々がいちから作り上げたゴルフ場が片手で数えられないほどあり、
それもその時代の有名ゴルファーがに監修したハイレベルなレイアウトのゴルフ場で、
サーファーズの一流ホテル群から最短で5分、最大でも30分で全てのゴルフ場に辿り着きます。
僕の大変尊敬している日本の実業家の方で、80歳過ぎまで現役でお仕事の采配をしておられた方が造られたゴルフ場は、
工事に入る前から現場に同行させていただきました。
まだその当時、そのエリアは街から30分ほどですが水道も通っていないような地域で、
ゴルフ場には芝にまくための大量の水が必要ですが、雨水を大量に貯水したり、
市役所から莫大な水を給水車ごと購入してという環境の場所でしたが、
あれから数十年、このエリアは再開発が進み完全な住宅街になり、
それでも野生のカンガルーがそこらじゅうにいる環境の中でゴルフが楽しめる、とても素敵なゴルフ場になっています。
彼がそこにゴルフ場を建設しなければこの地域の開発は20年は遅れをとっていたと思います。
日本人が現地にインフラして活性化を図った最高のお仕事でした。
今は東京で御隠居生活を謳歌していらっしゃいますが、元気で長生きをしてくださいね。。
80年−90年代はゴルフを目的にこちらに来られる方が大変多く、
時代を代表するプロゴルファーが出場するトーナメントがよく開催されていて、
日本からはあのジャンボ軍団が常連メンバーになっていました。
ゴールドコーストからは、地元のグレークノーマンさんをはじめ、イアンベーカーフィンチさんなどが
地元のゴルファーとして大活躍をされていたそんな時代。

僕は全くゴルフに興味がありませんでしたが、上司の命令でゴルフ道具を揃えなさい、
ゴルフ場へ行って打ちっぱなしでトラック1杯分の球を打ち込んできなさい、
もちろん自費で、会社が経費を払ってくれるわけではなく、
その当時会社でゴルフができる人が誰もいなかったので、僕に白羽の矢が当たったのです。
僕にはないものが2つあって、
1つはもちろんお金! そして時間がありません。
でもこの時代ゴルフができないとお話にならなかったので、イヤイヤ空港からの帰り道に練習場に立ち寄って、
ネクタイを外してとりあえず100発打ち込んで会社に戻り、
夕方お客さんがオプショナルツアーから戻ってお部屋で休憩している時間帯にもう100発。
お金がないのでバケツいっぱいの球が2ドルの格安ドライビングレンジに通いに通ったんですね。
段々と仕事の流れが、早朝、ブリスベンの国際線でVIPにご挨拶をして、そのままゴルフ場に直行。
スーツからゴルフウエアに着替えて、前日到着したお客様と午前中ゴルフをして、お昼を食べたら
ゴルフ場でシャワーを浴びてスーツに着替え、そのままお店に行きオパール販売というルーティーンになりました。
その時代にはいわゆるポケベルから大型の携帯電話に変わりつつある時代で、
ポケベルも今の人にはわからないかもしれませんが、簡単なメッセージが入電できるお知らせマシーンで、
これが鳴ったら会社に公衆電話から電話する、というのから箱型の肩からかけて持ち運ぶ
恐ろしく重い携帯電話でやりとりする時代になっていきました。
僕は常にこの箱型携帯電話を持ち歩いていたので、太ももはいつもあざだらけで大変な時代でした。。。
営業活動はゴルフ場で・お仕事でゴルフ・ゴルフはお仕事
ゴルフがほぼ毎日の午前中のお仕事になり、毎日ですよ毎日。
ゴルフがお休みなのはお仕事のお休みの日だけで、といっても休みはほぼありませんでしたので、
年間250ラウンドから300ラウンド、雨が振ることを毎日願っていたぐらいです。
ちなみに雨が降ってもゴルフをするのは日本人ぐらいで、こちらの人たちは雨が降ってきた途端、はい終了、で、
日本人のゴルフ熱はすごかったですね。
ゴルフ場で色々な方との出会いも当然あって、ゴルフ場は完全にビジネスの青空オフィスとなっていました。
バブル期には会社は桁違いの売上高を誇っており、2つのゴルフ場の年間会員権を会社支給になり、
個人の持ち出しもなくなりました。
ゴルフでご一緒した方々の多くは、その時代を謳歌しておられる方ばかりで、お客様のお付きで来られる方が
常に航空券を2つ以上用意していて、いつお客さんが日本に帰国するってなってもいいようにされていたり、
ゴルフ場が気に入ってそのまま家を買って帰られるなんてことも
普通にありました。
実は僕はサラリーマン時代、ゴルフが嫌いで、スポーツではなく完全に仕事としてのゴルフでしたから、
プライベートの時間にゴルフをするなんてことはなかったです。
時を経てゴルフの腕もそれなりになる頃、やっとゴルフ好きって感じになりました。
独立するとき、独立を手に入れる代わりに何か好きなことをひとつあきらめようと思い、
ゴルフを完全にやめてしまいましたが、あの時代の皆さんはその後どんな人生を送られているんでしょうか。

物怖じしない、堂々と世界で活躍していたあの勇猛無比な企業戦士と呼ばれた人たち、今は昔。
ナイスショ! ナイスバーディー!
